西友を売却することが話題になっていた米ウォルマートですが、7月12日、傘下である西友を売却する予定は「ない」として、引き続き従事する方向性を示しました。
そもそも米ウォルマートってなんのこと?
アメリカのウォルマートといっても、ピンとこない人もいるのでは?
ウォルマートは、1962年にアメリカのアーカンソー州で「ウォルマート・ストアーズ」として発足した企業です。「毎日安い!」をモットーに、世界1の小売企業へと成長していきました。2018年2月に、「ウォルマート」に社名を変更しています。
2002年には日本の大手スーパー西友に資本参加したことも話題になり、グローバルな展開を積極的に進めるようになりました。28カ国に事業を広げていき、2018年1月期の売上高は日本でおよそ55兆円!全世界で雇っている労働者の数は230万人も上ります。店舗数は約11,700店舗。
米ウォルマートの企業概要
本社 | アメリカ合衆国アーカンソー州ベントンビル8番街南西702 |
本店 | デラウェア州ニューキャッスル郡ウィルミントン市オレンジ通り1209番地 |
設立 | 1969年10月31日 |
業種 | 小売 |
事業内容 | スーパーマーケット、ディスカウントストア |
代表 | グレゴリー・ペナー(会長)ダグ・マクミロン |
従業員数 | 世界…230万人 米国…140万人 |
創業者はサム・ウォルトン。1962年7月2日に、初めてウォルマート・ディスカウント・シティーをアーカンソー州ロジャーズに創設します。その後様々な展開を見せていき、EDLP(年間同じ低価格で販売する戦略)をベースとして、コスト削減、物流管理、低価格を推進していき、発展を遂げていきました。結果的に世界最大の売上を誇る企業となり、現在では世界15カ国に進出し、日本では西友を子会社として事業を展開しています。
今年2018年には、楽天と新たな提携関係を結びました。ちなみにアメリカで一番従業員数が多いのは、230万人を雇用しているウォルマートです。
西友の企業概要
西友は2008年4月19日上場廃止になりました。
本社 | 東京都北区赤羽二丁目1番1号 |
設立 | 1963年 |
業種 | 小売 |
事業内容 | 小売りチェーン(食料品、衣料品、家庭用品) |
代表者 | ウォルマート・ジャパン・ホールディングス株式会社 |
資本金 | 1億円 |
従業員数 | 正社員4,202人、パート13,992人 |
主要株主 | ウォルマート・ジャパン・ホールディングス株式会社100% |
西友ストアは東京を中心として、スーパーマーケットチェーン、ゼネラルマーチャンダイズストアを全国に展開している企業です。セゾングループを経て、現在はウォルマートの日本法人です。
1956年:西武百貨店の事業が独立した「西部ストア」として創設されます。
その後、バブル期の多角化路線が原因で経営が危うくなります。
2002年3月:日本市場への参入を目指していたウォルマートとの包括提携を発表します。
2008年:ウォルマートの完全子会社になった西友は、ウォルマート流の安売り手法を取り入れ、収益を強化していきます。
西友を売却する方針、すでに打診しているという報道があったものの…
今回、西友の売却騒動が注目されていたにも関わらず、売却の予定はないと明らかにしたウォルマート。それまで日経新聞電子版では、ウォルマートが西友を売却する方針をすでに固めていて、大手の投資ファンドや流通大手に打診していると取り上げられていたのです。
ウォルマートの今後の動きが注目され、どこが売却先として可能性が高いかについても、話題になっていました。ウォルマートは、アメリカのアマゾン・ドット・コムなど、ネット通販との競争も視野に入れて、世界的な事業再編に乗り出すステップとして、西友の売却を決意したものと考えられていました。
さらに売却先決定に向けた打診についてもすでに始まっている事が報じられ、他の大手流通企業や投資ファンドも候補に挙がっていました。
現実問題、全国335店舗もある西友を全て売却するとなると、譲渡金額は数千億規模になることが見込まれます。
当然国内総合スーパーの経営環境は厳しく、交渉は厳しくなることが予想されていました。
交渉は難航するとしても西友の売却は確実かと思われていた中、7月12日、ウォルマートの広報担当者はロイター通信に対して、「西友の売却は決めていない」ときっぱり断言。
買い手との協議もしていないと話します。
変わりつつある日本顧客のニーズに応えるためにも、引き続き日本事業に従事すると語りました。