東南アジアのタイでは、アイコスを吸っていた喫煙者が続々と逮捕され、高額の罰金を支払うこととなった事件が、SNS上でも話題になりました。
電子タバコの喫煙者が多いイスラエル人やイギリス人にも、この罰則は適用されます。
タイのタバコ規制が激しすぎる?
タバコについての規制は、各国で内容が異なっています。
税法、薬事法、喫煙率を含めた医薬保健関連法、タバコ会社の影響力、そしてまず、国民の命を優先的に考える政治家や役人がどれだけいるかといった要因によっても、規正法の中身は違ってくるでしょう。
さらに、新型タバコの登場で議論も賛否両論となりました。
その結果、各国でバラバラな規制内容となったのです。
夏のバケーションで海外旅行へ出かける喫煙者も多いでしょうが、まずはその国のタバコ規制の内容を把握しておく必要もあります。
憲法改正でさらにタイのたばこ規制が激しくなる?
日本と同じFCTC(WHOたばこ規制枠組条約)の加盟国でもあるタイは、2014年の軍事クーデター後、新たに憲法が改正されました。
そして国王の権力はより一層強化され、2017年4月からは、タバコ規制のためのタバコ製品管理法もスタートします。
この動向も、憲法改正の影響と言えるでしょう。
タイのTPCAによると、これまでのタバコ規制法から順次、同国のタバコ規制はだんだんと厳しい内容に変わりつつあるとのことです。
特にタイの公衆衛生当局はタバコ規制に熱心です。
2007年からはタバコ広告規制を強化し、タバコのパッケージの警告表示を健康被害を強調するものにしています。
さらにタバコ会社に対して、無料の電話医禁煙相談窓口の電話番号を、パッケージに記載することも義務づけました。
タイでは保健振興財団の影響力も強く、子供の喫煙を防いだり、喫煙率の低減を訴えかけたりといった活動も強化しています。
受動喫煙防止についても、2010年の厚生大臣の告示によって、喫煙できるエリアもだんだんと狭くなってきています。
これまで公共の場や飲食店、バーは、分煙できる空調設備があればいいとしていましたが、喫煙を全面禁止する方針に変わります。
2018年1月からは、サムイ島、パタヤ、プーケットなどの海辺の観光地も禁煙となりました。
2017年のTPCAには、タバコアイテムを規制する範囲を拡大した政策も盛り込みました。
「加熱式タバコ」は電子タバコの1種とみなされ、タイのTPCAによって、アイコスも取り締まりの対象とされたのです。
これはタイ人以外の外国人(旅行者)などにも適用される規制なので、気を付けておきたいところです。
タイ観光局の情報ページによると、薬事法や2014年に成立したタバコ規制法などにより、タイに電子タバコを持ち込むことは禁じられています。
ニコチンを添加していない電子タバコも同様であり、水タバコや加熱式タバコなど、タバコに似た製品も規制の対象とされています。
タイのTPCAでは、未成年者の定義が18歳から20歳以下に引き上げられ、未成年者に喫煙させたりタバコを売ったりした場合、最大でも3カ月の懲役や、約10万100円の罰金となります。
許可されていない場所でタバコを所持した場合、最大で約170万円が、最大で10年の懲役になる可能性も強いです。
許可されたところであれば、紙の巻きタバコを持っていても喫煙していても問題ありませんが、加熱式タバコを含む電子タバコはそうはいきません。
アイコスやグロー、プルーム・テックといった加熱式タバコも規制対象となります。
販売するのもいけませんが、持っているだけでも処罰の対象とされるので、かなり厳しい規制です。
日本でもアイコスなどの加熱式タバコを利用する喫煙者がいますが、日本以外の欧米人にも多いです。
タイに旅行へ行った時は、電子タバコを吸っているだけでなく、所持しているだけでも逮捕されるため、旅行の際はくれぐれも注意したいものですね。
ニコチンの普及は中国から
電子タバコは、体に有害となるニコチンを含んでいます。
もともとは2003年に中国人が開発し、欧米にも広まっていきました。
日本では薬機法でニコチンが医薬品に分類されるため、認められなければ、電子タバコのカートリッジに添加することは禁じられています。
ちなみにこれまで電子タバコのカートリッジで承認された製品はありません。