2020年の東京五輪開幕まで、明日7月24日であと2年となります。
1964年大会に東京五輪が開催されて以来、日本の首都が、再びスポーツの祭典で盛り上がります。
今から考えなければいけない課題は多く、多岐に渡っています。
目次
連日続く猛暑、2年後の暑さ対策は必須
今年も連日猛暑が続いており、2年後の東京五輪開幕でも猛暑が予想されます。
梅雨明けが早かったせいか、7月初旬から中旬の現在にかけて、厳しい暑さが続いています。
東京都八王子や練馬は、午前9時前にも関わらず35℃以上を記録しています。
11時の段階で最も気温が高くなる八王子市は、体温を大きく超える38.6℃まで上昇し、猛暑日地点数は、86地点まで拡大しています。
東京都心もすでに36℃を超えていて、今年最高気温を更新しています。
暑さ対策としては、どのようなことが進んでいるのでしょうか?
千葉県幕張メッセでも熱中症対策に万全の準備を整える
7月中旬となった現在。
天気予報でも35度以上が当たり前の地域が多く、こまめな水分補給を呼び掛けることが常となっています。
「本日の最高気温は34度です。こまめな水分補給をお願いいたします」。
気温が30度以上を超えるのが当たり前となっている千葉市美浜区の幕張メッセで、イベント開場前から列を作る人たちに、スタッフが熱心に呼びかけています。
担当者によると、2年前にオープンしたイベントに約2000人の行列ができたのを踏まえ、入場希望者は直射日光が当たらない場所で待機できるようにと、配慮しています。
うちわを配って看護師も配置し、熱中症患者が出た場合に備えました。
幕張メッセは2年後の東京五輪で、レスリングなどの会場となります。
7歳と4歳の子供を連れて神奈川県から訪れた会社員男性(38)は、「日陰じゃないと待つのは厳しい」と話します。
熱中症にならないように、凍らせたペットボトルを用意した妻(36)は、「子供たちには絶対五輪を見せてあげたいけれど、日中の屋外競技は不安…。」と、顔をくもらせました。
2年後の東京五輪、マラソン前倒しでも根本的な対策にはなっていない?
7月18日の国際オリンピック委員会の理事会で承認された競技日程によると、マラソンや競歩などが、当初のプランから前倒しになっています。
マラソンは30分早めで、午前7時スタートになっていますが、東京大学の横張真教授は、これは根本的な問題解決にはなっていないと指摘しています。
横張教授の統計によると、2016年8月、当時想定されていたマラソンコースを2週間計測したところ、過去およそ30年間に渡り、夏季五輪の中で最も過酷な大会になる可能性があるという結果も出ています。
コース中ほどからは気温35度以上となり、皇居付近は日差しを遮る場所もありません。
選手だけでなく、沿道の子どもやお年寄りも、極めて危険な状態になる可能性が考えられます。
横張教授は、コースや沿道にビル陰や木陰をいかに確保するかが大切と指摘しつつ、未明の開始や、夏でも涼しい北海道での開催など、思い切った変更が必要だと話しています。
「今後五輪開催を目指す熱帯地域の国に対し、酷暑にどう対応したのか?
そんな記録を未来に残しておく役割も、東京五輪にあるのではないでしょうか。」と、独自の見解を伝えています。
マラソンコースでさまざまな工夫を凝らして暑さ対策
都や国はマラソンコースで特別な舗装を配備し、側面温度の上昇が抑制できるように対策しています。
都は累計で約140キロを整備する方針で、今年度予算で約70億円を投じています。
木陰を広くする街路樹の整備や、送風機など、涼めるスポットも増やしているところです。
観客向けにも、会場に入る際の手荷物検査で待つ時間の目安を「最長で20分」と設定しています。
手荷物が少ない観客向けに優先レーンを設けたり、効率的に並ばせて誘導する配置を計画したりなど、対応策を練っています。
行列全体を覆う大型テントと冷風機も設置し、気温や湿度が上昇して厳しくなった時に備え、水やかち割り氷を配ることも検討しているとのことです。