CM総合研究所が発表した2018年1月前期の好感度ランクで、2位にランクインしたCMと言えば、「バイト探しはIndeed」という歌のフレーズでお馴染みの「Indeed」。
そして16位には、「バイトするならタウンワーク」で知られるタウンワークがランクイン。
このどちらの人材CMに共通していることと言えば、俳優ではなく「芸人」を使っているということです。
このように、「働く系CM」ではイケメン俳優が真面目で誠実なキャラを演じて好印象を与えていましたが、あえて芸人を使うようになったのは、どのような意図があってのことなのでしょうか?
俳優から芸人を起用する働くCMの考えとは…
タウンワークでは、俳優の神木隆之介の後任に芸人の松本人志が起用されるようになりました。
今ではタウンワークといったら松本人志というイメージする人が多いでしょう。
そして「DODA」では、綾野剛からハライチ・澤部佑、「クリエイト転職」では博多華丸・大吉など、働く系CMの多くが、俳優から芸人へとシフトしていることがわかります。
このような理由について、タウンワークを運営するリクルートジョブスはこう語りました。
「シンプルなコピーにインパクトを与えられる人として、松本人志を選んだ。」
さらにIndeed Japanは、当初シリーズ化していた斎藤工・泉里香のイケメン&美女ペアに、何かピリっとスパイシーな空気を送り込みたいということで、千鳥を起用したことを明かしました。
芸人だからこそユーザー目線のアプローチができる?
働く系CMに芸人をあえて使うメリットは、各企業それぞれにありますが、もっと深い理由を掘り下げてみました。
例えばリニューアルをきっかけに芸人・ハライチ澤部を起用したDODAは…。
最近は転職がキャリアにおける一つの選択肢として、当然のように受け入れられつつあります。
それでも依然として「転職は後ろめたいこと、できればしない方がよいこと」など、ネガティブなイメージがついてしまっています。
そこで、CMでは転職を身近なことに感じてもらえるようにする必要があったのです。
自分にも転職は決して無縁なトピックではないと思ってもらえるようなCM作りがしたい、そんな時候補に上がったのが、バラエティで活躍する芸人だったのです。
澤部さんを出演させた意向としては、知名度が高い、ターゲット層と年齢が近いこと、そして何より決め手となったのが、ユーザー目線の演出をしてくれる親しみやすさがあることだったと語ります。
転職は後ろめたい、反対されがちな決断ですが、過去の働く系CMのクリエイティブにも影響を与えていました。
転職を必要以上にシリアスに受け取る人も多く、CMではユーモアや遊び心を加えることが難しいものでした。
その結果、印象に残らないパっとしたCMになってしまう…といった意見もありました。
こうなってくると、インパクトを強めるためにも、知名度の高いタレントの出番です。
もしくはサービス名を連呼するといった手法も選択肢の一部。
しかしながら、最近の転職へのイメージの変化によって、各社ともクリエイティブの幅が広がっています。
例えばエン・ジャパンさんの「エン転職」のCMは、バカリズムさんの着ぐるみで親しみやすさをうまく引き出しています。
真面目な内容だからこそ、出演者は芸人ということでつり合いがとれるのです。
澤部を起用したことでサイトの登録数がアップ?
芸人だからこそ、CMがよりポップで明るい雰囲気になります。
「親しみやすさ」を出すことは、これまでのCMの流れでは難しい課題でしたが、「DODA」では新しいCMにハライチ澤部を使ったことで集客が上がったと話します。
サービスを何度も利用してくれる人が増えた、登録者が増えたなどの項目は、ハライチ澤部を起用してから結果が出ていると言います。
主にコアとしていたターゲットから、反響があると言っています。
SNSでユーザーの反応を見てみると、起用タレントに関する感想よりも、自分もこのサイト登録をしてみようかなと、サービスに関心を持つ人のコメントも多いです。
それは澤部さんを見て、視聴者が身近に感じてくれた証拠とも言えるでしょう。