NHKで大人気放送中の大河ドラマ「西郷どん」で8月12日、第30回「怪人 岩倉具視」が放送され、笑福亭鶴瓶が岩倉具視を演じました。しかし視聴者からは、笑福亭鶴瓶の演技に不満の声も…。
「岩倉具視というよりただの笑福亭鶴瓶なのでは?」
「どう見ても笑福亭鶴瓶にしか見えなかった!」
瑛太が演じる大久保一蔵と玉山鉄二が演じる桂小五郎が、刀を構えて戦闘するシーンは見物でしたが、そこへ、
「はい、はい、はい、はい、そこまで。お開き、帰って~」と岩倉具視が仲裁に入ります。
これは普段の笑福亭鶴瓶にも見えてきます。このように、鶴瓶のアドリブも混ざり、笑福亭鶴瓶の個性が発揮された回となりました。
放送前に鈴木亮平がツイッターで笑福亭鶴瓶の演技に言及?「素敵な岩倉具視様」
放送前、西郷吉之助役を主演している鈴木亮平は自身の公式ツイッターに、
「これまでの岩倉卿のイメージを果敢に覆す素敵な岩倉様になっております。笑福亭鶴瓶さんの怪人ぷりを、目いっぱい楽しんでくいやんせ。」と投稿しました。
リアリティはともかくとして、視聴者にも最低限、吉之助が出会った男が怪人物であったことは、最低限伝わったのではないかと言えます。
鈴木亮平は公式サイトでも、吉之助と一蔵が少しコミカルなかけ合いを見せる賭場のシーンで、
「笑福亭鶴瓶さんが貪欲に笑いを取ろうとするので、思わず「大河ですよ!」と言っちゃいました。」と、笑福亭鶴瓶ならではのおもしろいエピソードも紹介してくれました。
制作統括の櫻井賢チーフプロデューサーが言うには、「目の奥が笑っていないイメージがあり、武士の価値観とは違う傑物感を表現できる人」として、脚本を執筆する中園ミホ氏が初期からすでに、岩倉具視役に鶴瓶を想像していたと打ち明けます。
鶴瓶もインタビューで、中園ミホ氏から直接「岩倉具視役をやってほしい」と声をかけられたと言います。
鶴瓶は撮影中、「こんなんでええの?」と思いながら演じていたと言います。今も悩んでいますと打ち明けています。
中園氏は、時代考証を担当する日本の歴史学者である磯田道史氏から得た
「お金に困っていた公家が、家で秘密裏に賭場を開いて寺銭を稼いでいた」
「蟄(ちっ)居中、経費削減と暗殺を恐れて、自炊していた」
といった岩倉具視についての情報を脚本にも反映し、第30回で吉之助と一蔵と岩倉の出会いをしっかり表現することにしたのです。
ちなみにSNS上でも「A-Studioか?」(鶴瓶が出演するTBS系トーク番組)というツッコミが入ります。
「西郷吉之助、ちゃんと調べたる」と帳面を見ながら、吉之助の経歴を読み上げたシーンにも意味があります。
岩倉具視は情報収集を得意とする人物でもあり、それぞれの特徴をメモに残していたと言われています。
ここからもヒントを得たシーンを作り上げたと言えます。
無難に演じたかと思える「西郷どん」での出演でしたが、他の公家たちとは明らかに違った言葉づかいも、何も成し遂げられなかった公家たちとの差別化になるかもしれないという見方もあります。
櫻井賢チーフプロデューサー:「ここまでお公家言葉が率直な人だったかはわかりませんが、鶴瓶師匠ならではの瞬発力やコミカルな性質を生かして、岩倉具視がさまざまな局面で出てくるため、この先も楽しんでもらえたらと思います。」と話しています。
岩倉具視は西郷吉之助、大久保利通らと共に倒幕・維新を目指し、「維新の十傑」に名前を連ねています。
鶴瓶が演じた岩倉具視を観て、本当はどんな人だったのかと関心を持ってもった方は、京都市内にある岩倉具視幽棲(ゆうせい)旧宅など、岩倉具視と縁の深い地域を訪れることをおすすめします。