空前のヒット作となった「カメラを止めるな!」という映画。
社会現象とも言えるこの熱狂の中、監督と原作者の中にも、「何か」が起きていました…。
「カメラを止めるな!」の原作者が盗作を訴える
「カメラを止めるな!」のキャッチコピーは、
「最後まで席を立つな。この映画は二度はじまる。」
です。37分のチープなゾンビ映画が完結した後、その何かが起こるというのがこの映画の楽しみなところ。
しかし現実の世界でもその「何か」が起こっていたとは、誰が知っていたでしょうか。なんと、「カメラを止めるな!」に盗作疑惑が出ているのです。
原作者のコメント
盗作を訴えた人物は、このように語っています。
「映画の評判は、僕も周りから聞いて知っていました。
そんな時、昔僕が主宰していた劇団の後輩から、あれは先輩の作品が原作ですよという話を聞き、初めてその映画が、僕の演出した舞台「GHOST IN THE BOX!」だったことを知ったのです。」
原作者は2011年から2014年まで劇団「PEACE」を主宰していた和田亮一氏(32)です。
彼の言う映画というのが、「カメラを止めるな!」だったのです。
「カメラを止めるな!」は6月23日にわずか都内2館からスタートしたのですが、今や口コミをきっかけに人気が爆発的に広まっています。
累計上映館数は全国で190館にもなり、役所広司ら、芸能人も大絶賛しています。田慎一郎監督(34)の巧みな構成を褒めたたえる声も多いです。
映画関係者によると、製作費は300万円だったの、今では興行収入が10億円を突破しているとのことです。
勢いにのっている「カメラを止めるな!」ですが、映画を観た和田亮一氏は、このように語っています。
和田亮一氏:「この映画で特に絶賛されているのは構成ですが、これは完全に僕が作った構成です。前半で劇中劇を見せ、後半ではリアルな舞台裏を見せるというのは、僕の舞台と一緒。
前半で発生する多くのトラブルを、俳優陣がアドリブで乗り越えて行くところもパクりです。舞台は廃墟で、そこでかつて人体実験が行われていたという設定も同じです。キャッチーなカメラは止めない!という台詞も僕の舞台の中で出てきます。」
和田亮一氏の「GHOST」をみてみると、確かに類似しているところが多いことに気づきます。
「GHOST」は、和田亮一氏が企画し、二部に分けた構成を考案したものです。舞台上演時、脚本は和田亮一氏以外の人物が手掛けましたが、和田亮一氏こそが原作者であり、舞台の演出家でもありました。2011年の初演は評判が良く、2013年には再演しています。
再演の時は上田監督も観にきていました。しかし2014年になると、和田亮一氏の劇団は解散してしまいます。2015年になると、上田監督が交流を続けていた「PEACE」の元劇団員のメンバーと接触し、「GHOST」を映画化する企画を持ち出したのです。
上田監督は映画用に脚本を書いてほしいと頼みましたが、この話は途中で流れてしまいます。
その後2016年、上田監督は「カメラを止めるな!」のプロデューサー
である市橋浩治氏から、長編映画の製作を持ちかけられます。
そしてこの時上田監督は、自分が権限を持っているわけではない
「GHOST」の映画版をやりたいと言ったのです!
和田亮一氏:「伝えたことで映画化の権利をとったつもりになってしまったのでしょうか。上田監督は大幅に脚本を書き直し、これは自分が独自に手掛けた物語とアピールしていますが、構成や設定は大部分が僕の「GOHOST」からきています。
公開当初のクレジットには、原作者の表記などいっさい入っていません。」
と、納得できない様子を見せました。
映画のクレジットに原作者の名前なし
公開された今、こんなにも人気になっていることを考慮すると、原作者として和田亮一氏さんの名前が紹介されないのは、確かにおかしなことです。
完成した「カメラを止めるな!」は、2017年11月に初めて一般公開されました。公開後も監督から劇団関係者にいっさい連絡は入りませんでした。