時代と共にさまざまなCMが登場してきています。巧みなアイディアで視聴者から好感を得ようとするCM業界ですが、最近特に目立つのが、お笑い芸人&女優という組み合わせです。
意図的にそのような戦術にしているわけですが、裏側にはどのような目的が隠されているのでしょうか?
濃いキャラと女優の共演が続々…あえて美女と野獣にする狙いとは?
例えば深田恭子、多部未華子、永野芽郁が3姉妹を演じているUQコミュニケーションズのCM。共演しているお笑い芸人は、コロコロチキチキペッパーズの2人。
この時、スマホに関する悩みを抱えながら、「やっべーぞ!」とナダルが震える後ろで、相方の西野は恐竜に加えられてしまうというシュールな出来上がりになっています。
ソフトキャンディ「ぷっちょ」の新しい作品「ぷっちょボール」では、橋本環奈と共に採用されているのは野性爆弾くっきー。
橋本の想像の世界ということで、巨大なぷっちょボールをかたどった風船から飛び出します。
くっきーはまた、人気の動画アプリである「Tik Tok」のコマーシャルで、モデルで女優の黒木麗奈とも共演しています。「ぷっちょ」では橋本と直接共演がなく、残念だったというくっきーですが、この作品においては黒木と恋人気分でデートしています。
広末涼子が出演するサントリー「ノンアルチューハイ のんある気分」では、広末涼子が訪れた旅館でマッサージ師となって登場するのがロバート秋山竜次。
大手うどんチェーン店の「丸亀製麺」のコマーシャルで、うどん店の女将として出ている松岡茉優とやり取りしているのが、飛脚役のジャングルポケット斉藤慎二です。
このような芸人の顔ぶれを振り返ってみると、いずれの顔ぶれもかなり濃いメンツですよね。
- ・身長178cm、坊主頭でハイトーンボイスのコロチキ・ナダル。
- ・白塗りモノマネで知られるくっきー。
- ・さまざなキャラクターになり変わるロバート秋山。
- ・ジャンポケ斉藤は顔だけ見ても濃い。
このようなアクの強さで視聴者に強烈なインパクトを残そうとしているのです。
さらに美女と野獣のように、美しい女優と正反対なルックスがアンバランスで違和感がありますが、またそこがいいのです。
ここで紹介した4人の芸人に共演しているのは、強烈なキャラを持ちながらも炎上しにくいキャラクターです。
くっきーは、戸田恵梨香の前で彼女の白塗りメイクをして現れても、Sexy Zoneの中島健人の似顔絵ということで、30才以上も年齢が離れているメガネをかけた中年男性を描いてもむしろ好感。
これは、好感度の高い芸人だからとも言えるでしょう。
ロバート秋山以外も、各業界のエンターテイナーに変わる「クリエイターズファイル」で、小生意気な子役を皮肉った物真似をしても、「馬鹿にしてる」とはなりません。
コロチキ・ナダルは「アメトーク!」で、目上の者には媚びへつらい、後輩には厳しい本性を暴露されるなどひんしゅくをかうような発言をされても、むしろ露骨で「おもしろい」となるのです。
ジャンポケ斉藤は見た目からして暑苦しく、あまり内容のない話を喋ったあとでも「ハイ~!」とシメて笑いに変えるなど、スキルが高く、評価されています。
濃い芸人をあえて採用するのは、その強烈な個性を生かして違和感を与えながらも、大手企業のCMである以上、炎上までいかない程度の話題作りを狙っていると考えられます。
俳優&女芸人も増えている?
実は女優と芸人の反対、俳優と女芸人という組み合わせも広まってきています。
アフラックのCMでは西島秀俊と渡辺直美が夫婦となって登場しました。
ドコモのCMでも綾野剛&ハリセンボン近藤春菜が夫婦として共演しています。
これからもこの傾向は高まってくるように見えます。
次はどのよううな共演が実現するのか、今から楽しみですね。