今季クールの民放ドラマ12本のうち、最低視聴率で終わったのが、関西テレビが制作した「健康で文化的な最低限度の生活」になったことがわかりました。
キャスティングは豪華なのに、どうしてこのような壊滅的な数値になってしまったのでしょうか…?
まさかの失敗の裏側にある原因に迫ります。
「健康で文化的な最低限度の生活」がワースト3のトップ
10月から新ドラマがスタートするため、現在放送中のドラマは終盤に入ってきています。
ここまでの視聴率でワースト3には、「健康で文化的な最低限度の生活」、「ゼロ 一獲千金ゲーム」、「チア☆ダン」が入っており、いずれも初回から視聴率が1桁という残念な滑り出しに…。
しかも健康で文化的な最低限度の生活の場合は、第2話で3割近くも数字が落ちてしまい、ワースト3の中では特に失敗がはなはだしいです。
中盤~後半にかけて、「ゼロ 一獲千金ゲーム」も「チア☆ダン」も少し盛り返しています。
しかし健康で文化的な最低限度の生活は右肩下がりの傾向のまま、反転攻勢の兆しが見えません…。
そして初回から7話まで、ずっと4ドラマの最低を記録し続けています。
後半には盛り返すことがなく、Google Trendsによる検索数においても、不人気の傾向はほぼ同じで変わりありません。
「健康で文化的な最低限度の生活」だけは毎週最低視聴率で、後半で盛り返す、という嬉しい展開もありませんでした。
初回から盛り上がらず、中盤、終盤でも盛り返さずに終わってしまったのです…。
健康で文化的な最低限度の生活は関西テレビが制作したドラマですが、実は健康で文化的な最低限度の生活に限らず、このところ関西テレビのドラマは不調が続いています。
小栗旬(35)と西島秀俊(47)のイケメンW主演の「CRISIS 公安機動捜査隊特捜班」は10.5%と好調でしたが、翌クールから5期連続で1桁に落ちてしまいました…。
敗因はタイトルにあった?
健康で文化的な最低限度の生活の視聴率が悪くなってしまった原因の一つに、「タイトル」があります。
SNS上ではこのタイトルの評判がとても悪いです。
「タイトルがださくて引く」
「タイトルが長すぎて忘れそう」
「タイトルからしてつまらなそう」
「真面目すぎ」
「タイトルからお堅そうなドラマに感じる」
気楽に観たい、どうしても先が知りたくて観たくなってしまうといったドラマとは、確かに程遠いようなタイトルです。
「ケンカツ」と略すことができても、ほとんどの人が元のタイトルを正しく言えないような状態です。
タイトルが今一つでも、キャスティングは申し分ないのではないでしょうか?
主演は今旬の吉岡里帆(25)。
イケメン俳優の田中圭(34)。
井浦新(43)、川栄李奈(23)など、今話題の人気俳優が勢ぞろいしています。
キャストは決して悪くないのに、どうしてここまで大きく転んでしまったのでしょうか?
タイトルだけが原因とは言えないはずです。
ドラマの設定は…
主人公である義経えみる(吉岡里帆)は、大学まで映画マニアだったが、自分に才能がないと気付き、安定を求めて公務員になります。
そして生活保護課に配属されますが、そもそもこれを自分のことのように興味を持って観る視聴者は少ないだろうということです。
原作の漫画も、ごく一部の読者にしかウケていません。
これも、視聴率が低迷した原因となるでしょう。
生活保護の現場を通して成長していくえみるを描き、福祉問題への理解を深め、困難を乗り越える姿に共感してもらうのが狙いのようなドラマだということが、第1~3話を通してよくわかります。
ただしドラマに出てくる試練は、基本的に善良な対応で克服できるケースが多いです。しかしながら現実的には、もっと複雑な問題が山積みであり、現実をよく知る視聴者としては、共感できないどころか批判さえ出てしまうのではないでしょうか。