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ムロツヨシ「大恋愛~僕を忘れる君と」で新境地を開拓?戸田恵梨香を引き立てるほどの演技は評価が高い

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今クールのドラマの傾向としては、恋愛ドラマが充実しています。

ドラマウォッチでヒットの法則を研究している、作家で五感生活研究所代表の山下柚実氏が目を光らせて観ているのが、金曜日22時から始まるドラマです。

「大恋愛~僕を忘れる君と」の再生回数が最高?

「大恋愛~僕を忘れる君と」は、見逃し配信の再生回数が歴代最高記録を達成しました。

登場人物は、若年性アルツハイマーになった女医の尚・戸田恵梨香と、引っ越し先のアルバイトをしている元小説家の真司・ムロツヨシです。

一見何の接点もなさそうな共通点のない2人ですが、ライフスタイルの大きな違いを乗り越え、大恋愛に突入していきます。

尚は医師との婚約を解消して、真司の部屋で同棲を始めます。
この恋愛はうまくいったかのように見えました。
しかし最近、記憶がなぜかだんだんと薄くなっていきます…。

尚の若年性アルツハイマーが明らかになり、この現実とどのように折り合いをつけていくのかが問題になってきます。

病気が判明した今、それでも愛する人との関係を終えずに続けていくのか、相手にとって真の幸せとは何か?ということを考えさせられます。

お互いに愛しているけれど、一方は記憶がなくなっていくというツラい病気を抱えてしまった今、2人の関係をがんばって続けていくことは、幸せにつながるのだろうか?

と、2人は自問自答を繰り返します。

戸田恵梨香の演技もキラキラ

すでに以前にもあったような物語の設定ですが、演じている役者がそれぞれ生き生きしており、いい味を出しています。
これまで似たようなドラマはあったものの、この2人の演技によって全く違うものに見えてきます。

女医である尚を演じている戸田恵梨香さんは特に役にハマっています。
みずみずしくナチュラルで、スッキリと爽快くらいはっきりした性格。
凛とした姿勢で、いつも前向きに歩んでいきます。

男性にナヨナヨと頼るようなタイプではありません。
その芯の強さが病によって弱さに変えられていく姿は、切ない気持ちにさせます。

その中で、尚と真司もじゃれあう子犬のように連続でキスする場面は、今後も語り継がれるでしょう。

ある意味ドラマの中の「名シーン」の1つとして数えられのではないでしょうか。
相手のことが本気で「好きだ!」という気持ちが、2人の役者の間でみてとれます。
全身で演技して表現していて、すがすがしいくらいです。

「別れよう」の一言に衝撃

あれだけ愛し合っていた2人だっただけに、結局「別れよう」という言葉が出てきたのは衝撃的でしたね。

しかしこれは決して愛が冷めてしまったわけではなく、真司が尚の未来のためを思って決断したことでした。

尚を引き立てているのはムロツヨシの演技力だった?

先ほど尚を演じる戸田恵梨香をベタ褒めしていましたが、戸田恵梨香の存在以上に魅力的なのは、実はムロツヨシの演技です。

ムロツヨシと言えば、バラエティ向きの容姿にトークもどこかおちゃらけ。

俳優といっても3枚目なイメージが強く、真面目な恋愛ドラマなんて大丈夫なの?という先入観を持っていた人も多いでしょう。

髪はボサボサで無造作、子供のように丸い目に特徴的なホクロ。
身長168センチのコロコロした可愛い体型…。

どこかどう見てもコメディ要素たっぷりです。

「笑い」こそムロツヨシの持ち味であり、無理して2枚目俳優なんて目指さなくてもいい…!という感じなのですが…。

今回の「恋愛~僕を忘れる君と」で、新境地を開拓したようです。

真面目な恋愛ドラマも断然OK!ぴたっとハマっています。

むしろこれまでムロツヨシの存在を知らなくて、「恋愛~僕を忘れる君と」で初めて演技をみた人は、ムロツヨシは恋愛ドラマ向きのガッツリ真面目な俳優と捉えてしまったのではないでしょうか。

人情の厚みや複雑さ、心の底にある哀愁を表現した横顔。
緊張した空気もほぐしてくれるようなソフトな人柄。
何か難しいことがあってもふんわり受け止めてくれる寛大な男。

病気が進行していく尚にとって、いつでもそこにいて、ギュっと抱きしめてそばにいてくれるテディベアのような存在でした。

「恋愛~僕を忘れる君と」は確かに恋愛ドラマですが、気を抜けるシーンもあって和やかです。
2人でじゃれあうシーンなどもあり、始終重苦しいというわけでもないのです。

ホっとひと息つけるような軽いタッチのシーンも多いからこそ、親しめるような恋愛ドラマに仕上がっています。
このあたりもムロツヨシが登場しているからこそでしょう。

ムロツヨシ自身とリンクする役設定?

ムロツヨシが演じている元小説家の間宮真司の設定は、厳密にはこのようになっています。

「孤独と特殊な生い立ちからくる独特なセンス。
自分の不幸を自ら救うようにして執筆を始める。」

ムロツヨシの過去と実際に重なる部分もあり、複雑な味わいを見事に評点しています。

ムロツヨシも小さい頃、両親が離婚し、子供時代から養育者が次々と変わっていました。

「人を笑わせないといけない!」というのも、本当の親ではないところを渡っていくうちに、自然と強迫観念のようになってしまったのかもしれません。

親戚のうちで暮らす子供としては、「嫌われたら生きていく居場所がなくなってしまう。」
という必死な気持ちがあり、防衛反応として、周囲を笑わせなんとか明るくしようと頑張っていたのです。

そんな複雑な経緯を持つムロツヨシだからこそ、同じような孤独を背負ってきた間宮真司を演じていても違和感が0。

今後も目が離せない!

いよいよ今クールのドラマも後半戦です。
これからどのような展開になっていくのか、予想がつかないところ。
2人は別れてもまた一緒になるという期待を抱えながら、注目していきましょう。

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