霊能者としてかつて日本中に影響を与えた人物と言えば、宜保愛子さん(享年71)です。
今からちょうど16年前の2003年5月6日に他界しました。
1980年~1990年にかけて、オカルト番組で大活躍した霊能力者ということもあり、宜保愛子をしのぶ人は多いです。
You Tubeなどで今も尚、宜保愛子出演のテレビ番組が何百回と再生されています。
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宜保愛子のキャリア
宜保愛子は1932年、神奈川県横浜市に生まれました。
小さい頃から霊感に恵まれ、そのうち霊視能力に目覚めていきます。
1970年代には人気ワイドショー番組の「お昼のワイドショー」の心霊企画に出演しました。この番組をきっかけにして認知度が上がります。
1980年代後半から1990年代前半には、いつのまにかお茶の間の人気者になっていき、宜保愛子の知名度もグングン上がっていきます。
日本中に心霊ブームを巻き起こしたといっても過言ではありません。
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元プロデューサーのコメント
当時のテレビ業界に詳しい元プロデューサーは宜保愛子について、このように語っています。
「ラフな恰好の普通の中年女性が、不可解な心霊現象の裏に潜む背景やドロドロになった人間の欲望を霊視し、シトシトと語り継ぐ。
この様子が視聴者にとっても珍しく新鮮に映ったのでしょう。
視聴者もだんだん宜保愛子独特の世界観に引き込まれ、人気になっていきました。
メディアでの悪いクセでもあるのですが、いったん人気が出ると集中的に群がります。
宜保愛子も週刊誌のグラビアを飾ることもあったし、とんねるずの「みなさんのおかげです」でイボ愛子なるパロディをすることになるなど幅広く仕事をすることになりました。
当時を振り返ってみると、突然宜保愛子さんがメディアに出現し、今までなかった心霊ブームを生みだしたキーパーソンというイメージです。
宜保愛子さんのことを今でも覚えている人はきっと多いでしょう。」
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宜保愛子が今までの霊能者と違ったのはどこ?
宜保愛子は、これまでの霊能者とは違うところがありました。
宜保愛子の霊視に魅せられたのは一般視聴者だけではなく、芸能界でも同じです。
ビートたけしや黒柳徹子も、自らの番組で宜保愛子をゲストとして歓迎していました。
陸上競技で有名なカール・ルイスといった外国人アスリートまで様々な有名人が宜保愛子の霊視に耳を傾けていたほどです。
しかしだんだんとオカルト番組は減っていきます。
そのきっかけは地下鉄サリン事件です。
しかしそれ以前に、心霊ものを胡散臭いと考える人も増えてきていたのです。
宜保愛子はインチキではないか?と考える視聴者も出てきました。
また、霊視は死者に対して失礼だとするキツイ声もありました。
そこにオウムの事件が発生したため、世間はそれどころではなく心霊番組は姿を消し去ってきたのです。
霊感商法など、人の弱みにつけこんでモノを買わせる怪しい犯罪も出てきて、霊視者に対する見方も変わってきてしまったのです。そのうち宜保愛子もフェードアウトしいていきました。
デジカメやネットも普及するようになり、素人でも画像を編集して心霊写真のように見せることが可能になったため、ますます霊視能力者への信頼は低いものとなってしまいました。
今でも宜保愛子をしのぐような霊視能力者は出てきていません。
そもそも心霊現象を中心に扱う番組自体が減っています。
宜保愛子が最後の霊能力者?
振り返ってみると、宜保愛子ほどキャラクターが濃くて愛された霊視能力者はいなかったでしょう。恐らく、宜保愛子が最後になるのでは。
宜保愛子が信頼され、愛されていたのは霊視する時の落ちついた佇まいが印象的だったからというのもあるでしょう。
本当に霊視できていたかは定かではありませんが、確かに宜保愛子は、本人、本人と本当に親しくしている人でなければ知らないような情報まで言いあてていたため、説得力がありました。
語り口調には癒しすら感じました。
しかし現代は番組製作のコンプライアンスも厳しくなってきています。
科学的根拠も求められるため、証明できない曖昧な心霊現象は番組として成り立たなくなっているのです。
だから宜保愛子の次にあたるような人物もテレビに出てこられないのですね。