「凶悪」「孤狼の血」で監督を務めたことでも知られる白石和彌監督が、お次は佐藤健とタッグを組みます。他にも豪華キャストが揃った今回の作品のタイトルは「ひとよ」。
撮影はすでに、2020年5月から関東で始まっています。
目次
佐藤健主演の「ひとよ」はどんな映画?
「ひとよ」は鶴屋南北戯曲賞、読売文学賞戯曲・シナリオ賞をとって話題となった劇作家・桑原裕子氏の劇団KAKUTAの代表作です。元々劇ですが、映画化したのが、今回佐藤健が主演を務める「ひとよ」です。
稲村家の母、3兄妹の運命お大きく狂わせた一夜の事件から15年が経ち、崩壊した絆を取り戻そうとする一家がたどり着いた先には何があるか?それぞれに葛藤や戸惑いを描いたヒューマン映画です。
撮影現場はタクシー会社?
「ひとよ」の舞台はある地方のタクシー会社です。そのため撮影も実際営業しているタクシー会社を利用しています。はじめはなかなかイメージに合ったタクシー会社が見つからなかったのですが、本作品の製作担当者が偶然気のきいたタクシー会社を発見したのです。
タクシー会社側も、撮影中はオフィスを移動して営業するなど、協力的でした。近くには国道が走っていて、周辺にはチェーン店も続々とオープンしています。15年前と比べて周辺の雰囲気も変わっていて当然なので、作品の舞台としてふさわしい。
映画の中で、家族は15年ぶりに再開するわけですが、どこか時が止まっているようなギャップのある場所にしたかったと白石和彌監督は離しています。今回のタクシー会社はイメージとも見事にマッチしていました。
入口にある自動販売機や冷蔵庫に貼ったメモは、美術スタッフが細部までこだわって加えた装飾や小道具です。佐藤健は映画の主人公・雄二を演じます。無精ヒゲを珍しく生やしていますが、これは役作りの一つです。
無精ヒゲがあるだけでやさぐれた印象になります。15年経った今でも過去の事件を引きずり、心を閉ざしてどこかミステリアスな青年です。これまで佐藤健が演じてきた等身大の好青年やヒーロー的なイメージとは異なり、新境地開拓の予感もさせます。
無精ヒゲをはやして撮影!佐藤健の意気込みは?
無精ヒゲをはやした今までとはまるで違う役どころを、佐藤健はどのように感じているのでしょうか。
佐藤健:「その時に出たもので勝負しています。ドキュメンタリー的なアプローチの仕方に似ています。」
と撮影を振り返りました。
白石和彌監督も、「健君はヒゲを生やして演技するのは初めてだと言っていました。いつもよりキラキラしておらず、何か過去を抱えた重い雰囲気かもしれませんが、それでも健君ならかっこよく撮れるところがあります。」と笑顔で語りました。
白石和彌監督「みんな映画の見せ方をよく知っていて楽だった」
佐藤健と家族という設定で、他にも鈴木亮平、松岡茉優、田中裕子がメインキャストに起用されています。
白石和彌監督は皆の演技について、「映画の見せ方をよく知ってるから本当に楽でした。
僕の見えていないところまでみんなで話し合っていて。その積み重ねが家族の結びつきの強さにもつながっていて、演技に反映されてくんですね。それが良かった。」
と、他のキャストについても満足しているご様子です。
田中裕子の存在感の大きさも印象的
特に母・こはるを演じる田中裕子の影響が最も大きかったと明かしてくれました。
白石和彌監督:「裕子さんが物語のベースになっていて、この話がどういう話なのか導いてくれる感じがあります。それがこの映画の力強さにもなっています。」と、田中裕子の存在感を強調しました。
白石和彌監督:「裕子さんがこれまで取り組んできたお仕事も含め、女優としての存在感が直接この作品、こはるという役を通して輝いてくれている。」と、かなりの信頼を寄せています。
無精ヒゲで新境地を開拓する佐藤健の演技も楽しみですが、家族を演じる他のメインキャストとの絡みも楽しみですね。