ミニストップが変化しつつあります。
その理由は、7月から毎日おにぎりを100円で提供することにしたからです。この思い切った施策は、果たして成功しているのでしょうか?
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ミニストップで130円だったおにぎりも100円に値下げ♪30円もの値引き
手巻き紅しゃけや手巻きネギトロは、価格が130円でした。
しかし7月からスタートした、おにぎりが毎日100円の施策で、1個100円に値下げしています。1つあたり30円もの値下げは消費者にとって大きいはず。おにぎり100円の効果は、きちんと出ているのでしょうか?
ミニストップと言えば、ソフトクリームや「ハロハロ」といったファーストフードの比重が大きく、他のコンビニエンスストアにはない個性を放っていました。
ハロハロやソフトクリームを目当てにミニストップに行く消費者も多いでしょう。
しかし、客足をもっと伸ばすためにも、もっと大きな看板商品が必要と考え、おにぎりの値下げに踏み切りました。
しかもキャンペーンで一時的に値下げする従来のやり方ではなく、「毎日」というところがポイントです。
数日間限定でおにぎりを100円に値下げするのは、他のコンビニエンスストアでもよくやっていることですよね。
ミニストップはさらに差別化をはかるためにも、毎日100円という今までどこのコンビニエンスストアにもなかったアイディアを思いついたのです。
ミニストップがおにぎりに目をつけたワケ
100人あたりの購買指数をみてみると、おにぎりは飲み物やたばこに次ぐ数値で、ランクはトップの方です。
おにぎりの販売数をどのくらい伸ばすかといったことは、当然ミニストップにとって大きな課題です。
商品本部のデリカテッセン商品部部長の竹内英雄氏は、今回の施策を始めたきっかけについて、このように説明しています。
竹内英雄氏:「これまでは、5つのおにぎりを対象として、1個100円で販売するセールを1年に数回おこなってきました。
このセールで毎回客足が伸びていたというデータを踏まえ、おにぎりを毎日100円にしたらもっと売れるのではと考えたのがきっかけです。
ここで疑問が浮かびます。
どうして5つの商品だけを100円にするのではなく、全おにぎりを100円に引き下げることにしたのか…?
竹内英雄氏:「期間限定ではなく、継続した取り組みをするのが今回の目的でした。5種のおにぎりだけを値下げするのではなく、おにぎり全体を値引き対象にした方が、より反響も大きくなるのでは>と考えたんです。
実際、4月に青森県で100円おにぎりのセールをしたところ、5品だけ100円にするよりも全種類のおにぎりを100円にした方がより効果がアップしました。その結果に基づき、思い切って全国展開に踏み切ったのです。」
しかしながら、いくら客足が伸びるといっても原材料費は上がっています。大きくコストダウンをするために見直しも当然必要でしょう。
100円に値下げする代わりに原材料費がアップ!ミニストップはどう対処するのか
ミニストップとしては、おにぎりを100円に値下げしたとしても品質は下げず、維持する方向性でした。
そこで工夫したのは商品の「数」です。
これまでは各地域の工場で、25種類前後のおにぎりを作っていました。それを15種類に厳選したのです。
もしおにぎりの種類を変えてしまうと、製造ラインの部品を入れ替える業務が発生します。そのロスを避けるためにも、数を減らすようにしたのです。
品数は減ってしまいましたが、工場の効率性に支障をきたすことなくスムーズに業務が成り立ちます。おにぎりの100円化によってそこまで打撃は受けません。
おにぎり100円を実施してミニストップにどのくらい変化があった?
気になるのはやはり、7月からおにぎり全品100円にしてからどのくらいの効果があったのかですよね。
7月から8月の2か月間をみてみると、おにぎりの売れ行きは2倍にアップ。
9月はさらに好調で、いずれにしても成功と言えます。
おにぎりが一年の中で最もよく売れるのは8月です。
その8月に合わせて今回の施策をスタートし、計画的だったこのプランにより、1店舗あたり売り上げが60%前後増えたとのことです。
また、おにぎりを買うついでに別の商品を買うお客さんも多く、全体的に売れ行きは好調です。
例えばおにぎりとサラダ、おにぎりとファーストフードといったように、おにぎりとコンビニにして買う人が増え、総菜の売れ行きも同時に伸びました。
おにぎりをメインとしてサブで雑貨やそのほかの食品を買う人が増え、全体的にミニストップは成功していると言えるでしょう。